第7章 思い出の中の彼
絶望に長い間浸かり続けた体
身近なものは度々入れかわりただ唯一と言っていいほどの存在はばあやだけ
いつしか抱いていた幻想も消え去り外を見ることもなくなり始めていたあの時襲撃を受けた
本家は無茶苦茶
力のあるものもろくに残っておらずただ政と権力のためだけに残されていたこの家も襲撃を受けた
暗くて寂しくて
あぁ私ってなんてついていないんだろう
そう思った
暗闇を切り裂くように人生が変わったあの日
静司が私の空(世界)になっった
あぁ私好きなんだ静司のこと
無茶苦茶なやつだけど
可哀想とか抜きにちゃんと対等に扱ってくれる初めての人
契約という名に縛られていてもそれが彼との唯一の絆でただそれがひたすら嬉しい
もう2度と力にありつけなくてっもいいそう思ったけど彼の隣に立てるのであれば悪いことではないのかも
ふと自分の中で腑に落ちる
あの瞳
眼差し
全てがあの時の彼だった
一瞬の希望をおたせてくれた彼が迎えにきてくれた
利用されたって構わない
静司のの隣に入れるのなら
そう夢から覚めた時に自分の心に整理がついた