第1章 逃走
今思えば彼と出会ったことが全ての始まりだった
幼い頃森を歩いていた時初めて見た自分以外の子供に興味を抱き話しかけた
どこか不思議な雰囲気を持つ彼
自分以外の子供にあったことも無く周りの大人も限られた人にしかあったことがなく狭く限りのある世界で生きていた私
家の中で見えるものも手を出してくることは無く自身で作り出したお友達(式神)と過ごす日々に飽き飽きして屋敷をこっそり逃げだした時に出会った彼
新鮮で様々なことに触れ合うのが楽しくて大人達の目を盗んでは度々抜け出すことを覚え始めたある日いつも通り話していると「お嬢さま!!」という怒鳴り声がしたかと思うと手を捕まれ屋敷に連れ戻される事になった。
「屋敷を出ては行けないと申し上げたはず!それにあの物は異形の者。お嬢さまが思っているようなものではございません。奥様のお言いつけ通り約束を破られたのですから今日からしばらくは蔵で過ごしていただきますからご承知ください。」
その声にビクッとなる私に
「ご自身が悪いのですよ。 準備をして参りますので大人しくお待ちください」
といい現当主である祖母の封じの印を部屋にはられ抜け出せないようにされる