第4章 私の先輩のために負けられません!
バターンと音がして、部室のドアが開きました。
「桃浜、オレのこと嫌いなのか!?」
「げぇっ、伊豆くん!」
「わっ伊豆先輩だ!」
なんとなんと、ドアの向こうから現れたのは伊豆先輩でした。伊豆先輩はズカズカと大股で近寄ってきました。
「桃浜、オレは桃浜のことがこんなに好きなのに…」
「キャー!キャー!ちょっとここ女子の部室だってば!」
あらら、これもしかして修羅場ですかね?桃浜先輩をめぐって、私は伊豆先輩の野郎と戦わなければなりませんか?っていうか…
「伊豆先輩、もしかしてずっと覗いてました?」
「ギクッ」
あっ、明らかに動揺しました。やっぱりですよね。そういうのデバガメって言うんですよ。バカめ。
「えっ…伊豆くんちょっと、また覗き!?」
「いや、その…邪魔をしたら悪いと思って…しかし目を離すこともできず…。わ、悪い」
わあ〜桃浜先輩の目つきがドギツくなっていきます。怒ってます、これは先輩怒ってますよ。
「キミたちさあ…寄ってたかって私のことをオモチャか何かだと思ってない?」
「そんな訳ないだろう!オレは真剣にお前のことが好きだ!」
「私だってそうです!」
や〜ん、桃浜先輩への思いを疑われるなんて心外です。悲しいです切ないです。ああ、この溢れんばかりの思いを伝えるにはどうしたらいいんでしょう!あっ、そうだ。