第3章 私の先輩、愛してます!
「桃浜先輩、伊豆先輩とお付き合いされてるんですかあ?」
翌日、部活の休憩時間中。運よく(まあ仕組んだんですけど)桃浜先輩と2人きりになれた私は、先輩に質問をしました。
先輩は少しキョトンとすると、
「そんなことないけど…、どうしてそう思ったの?」
と言って笑いました。
ああ…先輩、嘘がお上手なんですね。そういうミステリアスなところも大好きですう。
「でもホラ、伊豆先輩が熱い目で桃浜先輩を見てますよ」
私はひとつ隣のグラウンドを指さしました。そこには同じく休憩時間中の伊豆先輩がいまして、私たちと目があって、軽く手を振ってきました。
桃浜先輩はそれを見て、小さく「チッ」と舌打ちをしました。わああ、先輩、そんな顔も素敵ですねえ。
「付き合ってないよ。萌ちゃんこそ、もしかして伊豆くんのこと好きなの?」
「えっ私ですか?まさかですよ!ありえないです!」
「力いっぱい否定するところが逆に怪しいなあ〜」
「あはは!絶対イヤイヤイヤのイヤですう〜ゲロゲロ〜!」
「…そこまでイヤがるのも珍しいね」
私の言葉から嫌悪感がにじみ出すぎましたかね。桃浜先輩は少し驚いたような顔をしました。