第31章 深想伝心 花香酔心(R18)
欠けていた月が満ちて、ひとつになる様な、
愛と悦楽と狂気の混成混一。
律動として激しく揺れる、一体となった身体と、吐息と声。
渇望し高まる欲求と、充足感が縺縈※(れんえい)する。
満たし満たされ、溺れ溺れさせられ、
その劣情の嵐が過ぎるまで、
ただただ、お互いをもとめる。
そして、過ぎて行く 時間……。
ずっとこのままでいたい。
ずっとこのまま、絡まって温かな体温に抱かれ
ひとつになっていられたらいい。
『 散りゆけど 散りゆかん胸 ちりぢりに
貴方を求む 命 果てるまで』
沈丁花の花の香りにしてしまえばいい…
花は散り、枯れてしまうけれど、貴方を思い
貴方を求める心(胸)は、離れ、傷付き
散り散りになっても、命尽きるまでなくならない。
※縺縈…もつれ まとう。もつれ絡まる。