第30章 花顔涙咲
瑠璃が何と答えるのか、俺は知らない。
だけど、
「馬鹿だな、お前ら。俺 に決まってるだろ」
先手必勝だ。
「「「!」」」
「えーっ!政宗⁉︎それは、政宗の答えでしょ〜」
美弥が驚きとに反論を含ませて、俺を見る。
目を丸くして口を開けっ放しのヤツら。
童子のようにフワッと笑った瑠璃が、俺を見た。
そして、困り顏になる。
(そんな事、言うんだ…もん…)
そう思っても、嬉しくて、本当の事だから、
恥ずかしくて照れる。
(瑠璃さんにあんな顔させるなんて、
やっぱり、政宗は凄いな…)
的外れな美弥。
終始、涼し気に端座していた瑠璃が、
一気に頬を熟れた林檎のように染めて、
照れたのを見た一同は、呆気と口を開けながらも、
それが伝染したように同じく照れて、
瑠璃から顔を背ける。