第29章 慈愛の時間(R18)
1度、欲望の塊を解放し、余裕を取り戻した政宗は、瑠璃を上にして深い口付けを贈っていた。
瑠璃の力が抜け、崩れ落ちてしまわないよう、
肩から腕を支えて、心も思考も溶かし、
息をも奪う口付けを長く長く楽しんでいた。
「ふぅ…ぁっはっ…んっ、んん…はっぁ…」
舌が口内を蹂躙し、絡む水音、
唇が離れる時の ちゅぱっ と響く音、
そして淫溺の吐息がお互いの耳と脳を侵食する。
快悦しか考えられなくなって、
恍惚に口付けに没頭する。
「…さ……ね…んぁ…ん…ぁふぁ」
口付けているのは、もう既に、政宗ではなく、
瑠璃のほうに変わっていた。