第29章 慈愛の時間(R18)
脱力しうつ伏せていて、政宗からは瑠璃の表情は見えないが、劣情の鈍い光を帯びた瞳が、何を映す訳でもなく、何処かを見ていた。
「もっと気持ち良くしてやるからー…」
四つん這いになっている肢体の下から、
力の無い、ダラリとした瑠璃の手を引いて来ると
「俺のことも」
と、握らせる。
「本当はもう、すぐにでも、お前の膣(なか)で気持ちよくなりたいんだけどな」
言いながらも、欲望に光る眼で餌を目の前にしたように、雄々しく余裕を見せる。
政宗が雄精(ゆうしょう)に笑っているのが、目の端に映る。
少し鼻にかかった、低く甘い声が、
「気持ち良くしろ」と言ってる。
(きもち、よく…して……?)
瑠璃の理性の鍵が外れた。