第22章 政宗の小姓(R18)
こうなる少し前。
「お、怒ってますよね」
「そう見えるなら、そうだろ。
怒らせたと思うならそれはお前の所為だ、
責任は自分で取れよ」
蒼い眼が冷たく、それでいて、怒りの熱を含んで輝いている。
「責任ん"ーー!」
荒々しく首に噛み付かれた。
「まっ、政宗ぇっ!」
驚きと痛みに身体が跳ねて、逃げようと頭を振る。
甘噛みではなく、歯を立てられている。
「怪我したくなきゃ、暴れるな」
獲物を狙う眼でジロリと冷たく見られ抑揚のない声で忠告される。
大人しくなったところ、手荒に帯を解かれ、
着物を剥ぎ取られた挙句、帯締めの紐で両手を頭上に纏めて拘束された。
簡単に言えば、万歳の姿勢で手首を一括りにされている。
そして、
「まっ…えっ……何を…」
帯揚げの紐でグルグルと目隠しをされ、
何も見えなくされた。
(怖い…)
見えなくて怖いのか、静かな部屋に政宗の怒りが感じられて、怯え、身が竦むのか。どちらにしても、空恐ろしくて、フルフルと震えがくる。