第49章 創痕緩癒(R18)
(嫉妬されてるみたいな)
政宗に他に多くの女の影があって、
それを知った瑠璃が嫉妬しているみたいに聞こえた。
(嬉しい…嬉しい?…)
嬉しいと言うか、なんとも擽ったくて…
…やっぱり、嬉しく思う。
嫉妬されてもないのに、勝手に嫉妬されたみたいな気分になって、浮き立つ心の政宗だったが、瑠璃の捨て台詞の本当の意味もちゃんと解っていたから、尚、嬉しかったのだ。
(『そんな女みたいなか弱い女の子がいいなら、
他を当たって下さい』って、要するに、
『か弱い女でなくて悪かったわね!』ってことだろ)
「言い方が可愛すぎんだよー」
プンッ と顔を背けた。
その時の怫然(ふつぜん)とした瑠璃の顔を想い出せば、可愛さ倍増だ。
政宗は独り、ブクブクと湯に沈んでいった。
※怫然…ムッとしていかる様。