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ヘブンズシュガーⅢ【気象系BL小説】

第7章 大野の紋章~考古学者大野智の憂鬱~


「そこの者…私の部下になにをした」

ジュンフィスの目は、石畳に寝転がったままのダーオカを見てる。

「…え…?」
「なっ…なんでもないんです!王よ!」

マサスが慌ててダーオカを庇うように立ち上がった。

「なんでだ!マサスが一体なにをしたというのだ!?」
「だ、だからっ…この者は、ナイルの娘を守っているだけで…」
「だからといって、マサスに危害を加えるなぞ…下民の分際でっ…」
「げ…下民って…」

ジュンフィスの目は怒りに燃えていた。

「お、王…!俺はなんともないからっ…」

マサスが言っても、ジュンフィスには届いていないみたいだった。

確かに…マサスはマツーオカ将軍付きだから、いいとこの坊っちゃんなんだろう。
だけど、ダーオカは俺を守りたい一心でこんなことしたのに。

「すっ…すみませんでしたっ…王よっ…」

ダーオカはやっと何が起こってるのか悟ったらしく、慌てて体を起こしてひれ伏した。

「許さんっ…」

ジュンフィスは盛大にキレ出した。
ダーオカの前に立っているマサスを、突き飛ばすように横に押しのけた。

「ちょっ…ちょっとまってっ…!」

突然、手に持っていた杖を振り上げたかと思うと、思い切りダーオカの背中を打った。

「待って!やめてっ…!」

思わず、ダーオカとジュンフィスの間に身を投げ出した。

「やめてっ…ダーオカは俺のこと守っただけだからっ…!」

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