【JOJO・アヴドゥル夢※R18】二人きりの小島にて
第1章 日常
紅海のとある小島。
ホル・ホース戦で負傷したアヴドゥルは数日間であるがつかの間の休日を謳歌する事となった。潜水艦を仕入れる仕事はあるけれど。
「と、いうわけで屋敷のメイドさんに扮して姫ちゃんがアヴドゥルさんのお世話をいたしま〜す☆」
「……いらん」
アヴドゥルが困惑した視線を送る女性は姫。
彼と同じく生まれついてのスタンド使いだ。4か月前にカイロでDIOから逃れた直後に出会ってからは、共に行動している。
今回ともに島にいるのは彼女のスタンド能力である『自在に年を取らせる』という物が役立つからだ。ただ能力の発動は対象に触れないと発動しないから、戦闘ではあまり活躍する場がない。潜入捜査や、変装の時はこうやって大活躍だ。
「せっかくシックな家政婦衣装を用意したのにぃ……」
黒のブラウスに白いエプロン。頭には白いカチューシャ。姫はフリルのスカートを持ち上げ、可愛らしくくるりと回った。
「そんなものをどこから用意したんだ?」
「SPW財団の人にお願いしました! お怪我しているんですし、ご主人様は家でゆっくりしてくださいませ!」
ふーっとため息をつくアヴドゥル。
「……子供がそんなことを気にしなくていい。少し額と頭蓋骨をやられただけだ。自分のことは自分でする」
「あー! また子供って言いましたね!?」
アヴドゥルを指を刺し、頬を膨らませる。
「子供じゃあないです! お酒飲める年齢ですし! しかも完全に気を失っていたじゃあないですか!! あれは重傷って言うんですよ!!?」
アヴドゥルさんに何かあったら私……とブツブツ呟いてる彼女。姫のスタンド能力は自分には発動できない。けれど、もう少し年を取らせて……と考えても童顔は童顔のままだろう。発動してアヴドゥルより年上になるのも考えものだ。彼女はブツブツと、いつもいつも子供扱いするんですからぁ……と悪態をつき、ニヤリと誘うような瞳に変えた。
「どうです? ご主人様と家政婦の禁断の愛とか!」
「子供が大人をからかうんじゃあない」
アヴドゥルの拳がコツンと姫の頭にぶつけられ、小さく「いてっ」と声を出した。
「だから子供扱いしないでください! 大人ですよ〜!」
「……では今から”大人の女”として扱おうか?」