第1章 妹が審神者になるまで
神城 美羽
それが私の名前
私には1人の姉がいる。
姉は私とは正反対で、明るくみんなから好かれ人気者で常に笑顔の絶えない、いつだって沢山の人に囲まれて太陽のような人だった。
昔から人と話すことが苦手でずっとひとりぼっちだった幼い私は周りにいつも人がいる姉がとても羨ましかったのを覚えている。
そんな私も高校生になって思考が変わると姉への憧れは嫌悪となっていた
男の人は取っ替え引っ替えで
相手は次期社長や病院の息子
さらには、父親と同じほど年の離れた社長などとにかくお金の持っている人ばかりだった
その上お金を貢がせるだけ貢がせて捨てる。とても酷い人。
姉とは年が離れていて私が中学を卒業する頃には、姉はほとんど家に帰ってこなくなっていた
そして私達は地域では有名な古くからある神社の跡取り娘だった
すると問題になってくるのが跡取り問題
普通は長女である姉が継ぐはずだったが、遊び歩いてばかりで碌に家に帰らず跡取りには到底向いていない。
私達の関係の修復を諦めた両親の考えはこうだった
「人付き合いの上手な姉がお金や権力のある人と結婚して、家を神社を安泰にさせる。そして小さい頃から巫女として優秀な素質があった妹が神事を行う。」
遊び歩いていた姉に変わって幼い頃から家を継ぐべく色々な事を学んできた、幸い人付き合いよりも勉強している方が遥かに楽だったので辛いことは無かった。
それぞれの長所を生かした役割分担なのだろうけれど、親としてはどうなのかと思う。
ここまではまだ順調だった。