第11章 闇 終
カカシは目線を下にした。
すると、
あったかい肉まんが、
顔の前に現れる。
「あつ、あち、あっちち、はい、どうぞ」
花奏が ほかほかの肉まんを手渡す。
あったかい湯気が出ていた。
「カカシ、おなかが すいてたら、力が出ないよ。とりあえず食べよ?」
「いらないって言っても、買っちゃってるじゃないの」
肉まんを花奏から受け取る。
「アッつ!」本当に肉まんが熱々だった。
「できたてだもん」
にーっと、さっそく肉まんを口の中に入れる。
「……どーも」とカカシ。
「うん、歩きながら食べよう」
花奏は歩く。もぐもぐと口を動かし、「おいしいね」と言う。 当たり障りのない話を始めた。
「ああ……うん」適当にあいづちをして、
並んで歩く。カカシは横目から花奏の表情を気にした。
不思議だった。
心底花奏が不思議に思えた。
なんも言わない。
話をふってこない。
三代目に報告したことは、
だいたいは、聞こえているはずだ。
三代目も、そうだけど……。
なんでオレを責めない?
どーして、なんにも言ってこない?
理由がわからなかった。