第9章 闇 報告
「カカシ、ヤナギがやったという証拠はない。 今は憶測でしか動いておらぬ。 なぜ、ヤナギが、花奏に媚薬を盛ったと思ったのじゃ。言うてみろ」
三代目は、あごに手をのせて、カカシに言った。
「ヤナギは、執拗に花奏へ任務を行かせないようにしていました。 なにか、行動を起こそうとしていたのかもしれません。 あとは、ヤナギは、オレに恨みがあります。 ヤナギの両親を殺したのはオレですからね。 狙うならば、オレの命でしょう」
カカシはきっぱりと言う。
三代目、猿飛の表情は、みるみると血の気が引いた。
「カカシ…な、…なにを言うておる。 何年前の話をしておるのじゃ。 おまえが殺したわけではない。訂正しろ!」
平常心をよそおい言った。猿飛の語尾は、隠せずに震えた。
「三代目、ヤナギの両親が死んだ日に、オレは言われています」
「……なにをじゃ…?…」
「お前は、赦しの対象から外れている。一生かかっても許せないと、はっきりと言われております」
カカシは淡々と言った。その表情に、曇り1つない。
「そんなことを言えば、サクモは! お前の父親を裏切ったのは、ヤナギの父親ではないか!」
三代目、猿飛は、語尾を強めて言いきった。