• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第9章 闇 報告


三代目、猿飛は、キセルをふかし、
静かにカカシに聞いた。


「花奏の容態は、どうじゃ?まだ、苦しんでおるのか?」

猿飛は、緊急時と言えど、報告を受けてから、花奏が、気がかりであった。

他里から来た。だから身内も頼れる者もいない。
父をなくした、いま、天涯孤独だ。
猿飛は、どこか、いつも気にかけていた。


「家で、静かに眠っております」

カカシは顔を上げて、三代目に伝えた。表情が、ほんのすこし和らいでいた。

少し間を置いた三代目、猿飛は、カカシに聞こえるように、煙と共に大きく、息を吐いた。


「そうか……。 無事ならば、それでよい。 カカシ、頭を切り替えろ。今は花奏を忘れろ」

三代目は、キセルを蒸して言った。


カカシは「はい」と素早く言う。

やるしかない。もう、穏便に済む話ではない。

任務をする瞳にカカシは変える。
闇を灯し、覚悟を決めた。


「だいたいは、テンゾウから、先に話は聞いておる。 イタチとテンゾウがヤナギを追いかけておる。だが、まだ拘束したとの連絡は入っておらぬ」

その報告を聞き、下唇を思わず噛んだ。
ヤナギは強い。
カカシと同等か、それ以上の実力があった。

血継限界がヤナギにはある。
母親が雪ノ里出身だった。

だから氷遁が使える。

仲間としては、いつも頼もしかった。

敵となると、少々どころではない。
そうとう厄介だ。

血継限界は、
写輪眼を使っても
コピーできないのだから。

「まだ信じられぬ。ヤナギが毒を盛るとは……。そんなことをすれば、花奏がどうなってしまうか、わかるはずじゃが……」

三代目は、キセルを灰皿に、
トントン、と、考えをまとめるように置いた。

/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp