第26章 帰還
カカシを見上げた。
「ねぇ、ダメだよ。怒られるよ?」
バレたら恥ずかしいよ。
「ん?大丈夫でしょ。医療班のヤツにな、夜回りは死んでもくるなって釘を刺したから」
もっと恥ずかしい。
しかも職権濫用だよ。
ふとパジャマの隙間から包帯が見えた。
私はそっと背中を触った。
「カカシ、背中…本当にごめんね」
助けてくれたカカシ。
痛かっただろうな。
そう思うだけで
胸が張り裂けそうになる。
「ごめんね」
「ん?なによ、急にしおらしくなって。もう痛くないよ。気にするなよ」
カカシは私の横にゴロンと
横になって、寝転んで頬を触った。
「花奏、いつ退院なんだ?」
「明後日だよ。お腹も何日も入院しなきゃいけないほど酷くないって。イタチのおかげかな」
カカシは私の茶髪をすくった。頭を撫でるように優しく。
「そっか……良かったな。じゃあ、オレも明後日退院するわ。花奏といたいしな。お前がいなきゃ、寂しい」
優しく瞳を緩めて笑った。
「え…でもダメだよ、勝手に帰っちゃ」
「やだ。いっしょがいい。お前が世話してよ。なあ、ダメ?」
カカシが私にキスをするのだ。それは甘くトロけるような口づけで。
「寝てばっかだろ。だったら家がいいんだよな。落ち着く。な、お願いだよ。頼むよ」
そう言ってカカシが甘い表情で見るのだ。
私はそんな風に言われたら断れない。
「うん……いいよ…してあげる」
自分がおかしくて目を薄めた。
カカシの笑った顔がすごく好き。
ホクロが可愛い。
「ぜんぶしてあげる……」
甘く唇を重ねた。熱い舌がゆっくりと入ってくる。ねっとりとした唾液を交わして、息が上がる。
「え……?ぜんぶ…?」
「うん…んん…んぁっ…」
困ったような瞳から情欲に濡れた瞳に変わって
私の膨らみに触れた。くにくに突起を探して
指が動くのだ。
「ぁっ…や、カカシ……」
「もう、かわいいこと言うなよ。歯止め効かなくなるでしょ」
キスのまま。
パジャマのなかに手が入って、優しい温かい手が胸に伸びる。
片方の手は背中に触れて、パチンと音がした。ワイヤーで支えた膨らみは柔らかく緩まった。
「っ……あぅんっ…」
しんとした病室で。こんな事してる。バレたら怒られるのに。カカシの部屋が角部屋でよかった。