第23章 戦闘と平和の狭間
「この任務、ワシは乗り気ではない」
渋面を作りパックンは呟く。
「そう言うなパックン。これが終わったらゆっくり出来る、な?」
「カカシ、死ぬな。ワシはおぬしが死ねば大泣きするからな」
「ああ……わかってる。大丈夫だ」
沈むパックンの頭をカカシは優しく撫でた。誰1人、この任務を、ヤル気満々の忍などいない。これから進む道は平坦な任務ではない。血で血を洗うような泥沼の死闘が待つ。
カカシは残り7頭を
暗部の仲間たちの各自
リーダーの前に散らばせた。
「じゃ、事前に決めたチームで行動すること。必ずオレの忍犬といっしょに動くこと。わかったな」
「「はっ」」
「ああ、それとな」
カカシは、あえて明るく
言葉を付け足した。
「前の飲み会の話なんだが、じつはなー、こっそりオレらの席は別注で良いものを食べたのよ。帰った暁には、寿司でも食いに行こうよ。3代目がね、最高峰の特上の大トロを奢ってくれるらしいよ」
「マジですか!!」
食いついた新人の男はキラキラと目を光らせる。カカシはさらに追加を伝えた。
「あとな、ボーナスも破格だ。帰ったらな長期的に休みもくれるんだって。な?だからお前らしっかり頑張れよ!」
カカシは、ニッと笑顔を作った。
肩に力が入りすぎだとカカシは思った。実際、仲間たちの表情は硬かった。
カカシの言葉を受け、緊張が解けたように、喜ぶ声が響く。ちらほら獣面から笑みが見えた。
カカシは13歳の頃から、幾度も苦難の任務を遂行した。ガチガチに行けばミスが出る。リラックスも必要だ。