第4章 15分
「ヤナギ、私は簡単にはやられないよ。仇は打ってくる。任せてよ」
にぃと口端をあげて親指を立てる。少し心の中で、ガイみたいだなって小さく笑った。
「花奏ちゃん……」
「だーいじょうぶだって!暗部のくノ一は、男よりも機敏に動けるし、問題無いってば」
バンバンと背中を叩いて、とにかく安心してもらおうとしたんだけれど、ヤナギは、複雑な顔を浮かべて黙ってしまった。
納得はしていないよ、だけどね。と話を続ける。
「深追いはしないように。花奏ちゃん」
うん!とヤナギに笑みを浮かべた。すると突然、向かい側の斜めの席から声が聞こえた。
「カカシ隊長ーー、はーーい」
切れ目で美人のハギが、手を上にあげて挙手をして、ちらりとこちらを見た。頭には犬面をつけている。
「アタシは、納得出来ません」
きっぱりと断言した言葉に、皆ハギに注目してゆくのが分かった。