第4章 15分
「ろ班みんな、話を聞いてくれ。今し方、木ノ葉の名のある大名家が襲撃された。その護衛に当たっていた、メジロとアヤメがやられた。だが、あの2人はそう簡単にやられるような奴等ではない。誇り高き暗部だった。敵の中には、相当な実力がある仲間がいるという事だ」
カカシの話に、皆が耳を傾けて静まり返った。話を黙って聞く者や、涙を浮かべる者もいる。暗部ではよくある話だが、それでも慣れる事は無い。
「死因の直接的な原因は、毒死らしい。だが遺体の損傷も惨い。犯人は、盗賊と抜け忍による犯行だと、多くの目撃者から証言が出ているから、それは間違いはない」
冷静に静かに話していたけれど、カカシの拳は強くにぎりしめていた。白昼堂々ワザと目立つ大胆な犯行。暗部や木ノ葉隠れ里を軽く見られた行動だった。
「オレと花奏、テンゾウ、イタチできっちりカタをつける。ここに残る者は、事後処理をしてくれ。何か質問はあるか?」
「はい、カカシ先輩」
「なんだ、夕顔」
「最近、巷で騒がせていた火事は関係は無いのですか?花奏さんの家も燃やされたようですが」
端に座る夕顔が私の方を目にやりながら声を出す。
「あれは、放火魔だ。関係ない。しかも捕まった。今頃余罪が無いかイビキに吊るし上げられているはずだ。あのサディストにはやられたく無いね」
一瞬でヒヤリとした空気が広がる。暗部拷問・尋問部隊長森乃イビキの名前が出たからだ。あの大柄な男の尋問で吐かなかったヤツはいない。精神的、肉体的に追い込むスペシャリストとして隊長を務めている。
「カカシ」
「何だ、ヤナギ」
「花奏は、やはり止めておくべきだ。身体の事を考えたら、いなくても充分やれると思う」
ヤナギは、私に辛そうな瞳を向ける。大丈夫なのになぁ。相変わらず心配性だ。
「オレは、来るべきだと思う。三代目も指名していたからな。メジロとアヤメは花奏が指導していた部下だったんだ。ダメだと言ってもコイツはついてくるでしょ」
きっぱりと断言したカカシを、私は見上げていた。