第15章 突然
「あ、そうそう料理ね? 私出来るよ。12歳から1人で生活してきたし。 だいたい私の父ちゃん暗部だったからさ、1人で家事してたよ。 カカシも同じでしょう?」
みんな小さい頃から、一人暮らしだった。カカシもヤナギも。
「んー、まーね。だけど、1人で食べると億劫になってね、つい適当になっちゃうんだよね」
「そっかー……、じゃあさ、カカシの好きなメニューを、私が作ってあげるよ」
私はニコリと笑って提案した。カカシは食事管理は最悪だ。食生活の改善が必要なのだ。私の提案に、カカシは「うーん」と唸って考える。
「じゃあね、和食が食べたいかな」
カカシはポケットに手を入れた。一瞬呆気に取られたが、すぐに笑いが込み上げた。お腹が痛い。ついに我慢出来なくて、ケラケラと笑った。
「あはは! カカシの好きな料理は分かってるよ。茄子の味噌汁と秋刀魚の塩焼きでしょう?」
あー、おかしいな。有名なんだよね、カカシの好きな食べ物って。昔から同じだもの。
「ふ、なーんだ知ってるの」
カカシも目を細めてる。
「当たり前の助」
ポンとカカシの腕をたたいた。何年一緒にいると思ってるの。5歳からだよ。
「なによ、あたり前のスケって」
カカシは私の頭を撫でる。そのあと、グシャグシャと髪を洗うみたいに頭をこすった。