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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第14章 失ったもの





「花奏」


カカシが穏やかな声で
名を呼んだ。




「困らないよ。 オレは困らない」



きっぱり言ったカカシは、身体を傾けて、私を見つめる。目をちゃんと合わせてくる。



「なあ、自惚れていい?
花奏が、オレと同じ気持ちだって、思っていい?」


真剣な瞳でそらさずに
まっすぐに私の目を見つめる。

心臓がうるさい。
カカシに聴こえそうなぐらい大きな音だ。


「……うん。 わた、し…」


返事をしようとすれば、カカシの指が、私の唇に触れた。次の言葉を言わないように止めている。




「花奏はさ、優しいから流されて、そう錯覚してるかもしれないでしょ?」


「!? そ、そんなことないよ!」


私は間髪入れずに伝えた。
カカシと触れていると安心するし落ち着くの。
そういう雰囲気のときはドキドキするけれど。


カカシは、私の髪に触れて
優しく笑みを浮かべる。




「オレと同じぐらい、好きになってもらうように努力するよ、これから」


穏やかな表情を浮かべて、
カカシは私を包み込んで抱きしめた。


「……カカシ?」




「花奏……お前が好きだよ、オレなしじゃイヤだって早く言ってよ」


カカシは私の頭を手で抱えて、
もう一方の手は背中に回した。隙間なく身体を抱きしめられている。

「ふふ、なにそれ……」


「なによ、笑わないでよ」

カカシの少し拗ねた声。
へんなの。

カカシの匂いはやっぱり落ち着く。
抱きしめられるのが、やっぱり私は好きみたい。




「カカシ……私も好き……」



そう伝えた。

カカシが嬉しそうに目じりを下げて
唇を合わせてくる。


触れる場所が愛おしくて、優しい気持ちだった。




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