第12章 闇 終焉の地
「いつでもいいから……俺の家に行ってくれないか? 花奏のお家、燃やしてごめんな……。大事な宝物だったのに……」
「……もう…いいよ、もう……」
「俺の家あげるからさそれで許して? いや……いまの冗談。 許さなくていいから、俺のことね……、お願いだから全部忘れて?」
ヤナギは命の灯火が消えていくように、徐々に声が小さくなった。
私を抱きしめる手が徐々に緩まる。ぎゅっと背中に回した手を私は強めた。
「……ヤナギ……!なに言ってるの? 家族みたいに仲良かったじゃない、私たち……!!なんで?どうして……そんなこと言うの? 忘れたの?いっしょに遊んだり、暗部の任務だってずっといっしょだったじゃない!どうして……忘れてだなんて言うの? 私たち、3人親を亡くしてから、……ずっと一緒だったじゃない……」
私はいつのまにか泣いていた。視界が滲み、頬に涙が伝う。
ヤナギは、私の顔を見て柔らかく笑う。目じりは涙が浮かんでいる。
「花奏…………ありがとうな……泣かないでよ、笑ってよ。俺、花奏ちゃんが笑った顔が一番好きだよ……」
そう言ったあと、もう一度私を抱きしめたヤナギは、言葉を詰まらせたあと、話を続けた。