第12章 闇 終焉の地
「……そんな……!」
私は衝撃を受け過ぎて
声が出てこない。
私は息を荒げて飛び込もうとすれば、その腕を掴まれる。
「どこ行くんだ?」
「どこって……助けに行くのよ」
「ダメだよ、アイツは今、谷底で俺の両親の供養してるんだからね?」
「はあ!? は、離してよ! ヤナギ!!助けなきゃ、カカシが死んじゃう!!今日はチャクラも体力も何も残ってないんだから」
必死に伝えるのに、ヤナギの目は笑みすら浮かんでいる。
「だから? 俺がそう仕向けたんだから知ってるよ?」
「!!……あんた……最低……!!仲間じゃないわ」
私は泣きそうだ。 早く行かなきゃ
本当にカカシが危ないんだから。
掴む手を振りほどこうとするのに、
痛くなるほど、ヤナギは手を握る。
「花奏ちゃーん。なんだよ、従順な振りして、ここで裏切る気?カカシは俺の家族を奪った野郎だぜ?」
ヤナギは私に詰め寄る。
「……それは、仕方なくて……!」
「へーー、花奏ちゃんは仕方なかったら奪ってもいいんだ。あー、お前も殺すわ。はっきり言って用済みだからね?」
私はヤナギに手のひらで押し倒され、尻もちをついてしまう。息が苦しくなるほど身体は強張る。
「……ヤナギ……?」
私の馬乗りになったヤナギの両手が首に触れる。
力は徐々に入っていく。
「っ!! くる……し……! いや、ヤナギ……!! やめ……」
死にものぐるいで抵抗するのにビクともしない。月明かりの逆光で表情は暗い。目は真っ直ぐに私を見つめる。
「花奏ちゃんの家に火をつけたのも、俺だし、媚薬盛ったのも俺だ。 まだ俺が仲間だなんて思ってるわけ? 頭イかれてんじゃない? 」
グッ……とさらにヤナギの手に力がこもった。