• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第12章 闇 終焉の地





「……そんな……!」

私は衝撃を受け過ぎて
声が出てこない。


私は息を荒げて飛び込もうとすれば、その腕を掴まれる。

「どこ行くんだ?」


「どこって……助けに行くのよ」

「ダメだよ、アイツは今、谷底で俺の両親の供養してるんだからね?」

「はあ!? は、離してよ! ヤナギ!!助けなきゃ、カカシが死んじゃう!!今日はチャクラも体力も何も残ってないんだから」

必死に伝えるのに、ヤナギの目は笑みすら浮かんでいる。

「だから? 俺がそう仕向けたんだから知ってるよ?」

「!!……あんた……最低……!!仲間じゃないわ」


私は泣きそうだ。 早く行かなきゃ
本当にカカシが危ないんだから。

掴む手を振りほどこうとするのに、
痛くなるほど、ヤナギは手を握る。


「花奏ちゃーん。なんだよ、従順な振りして、ここで裏切る気?カカシは俺の家族を奪った野郎だぜ?」

ヤナギは私に詰め寄る。


「……それは、仕方なくて……!」

「へーー、花奏ちゃんは仕方なかったら奪ってもいいんだ。あー、お前も殺すわ。はっきり言って用済みだからね?」

私はヤナギに手のひらで押し倒され、尻もちをついてしまう。息が苦しくなるほど身体は強張る。


「……ヤナギ……?」


私の馬乗りになったヤナギの両手が首に触れる。
力は徐々に入っていく。




「っ!! くる……し……! いや、ヤナギ……!! やめ……」

死にものぐるいで抵抗するのにビクともしない。月明かりの逆光で表情は暗い。目は真っ直ぐに私を見つめる。

「花奏ちゃんの家に火をつけたのも、俺だし、媚薬盛ったのも俺だ。 まだ俺が仲間だなんて思ってるわけ? 頭イかれてんじゃない? 」


グッ……とさらにヤナギの手に力がこもった。


/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp