第12章 闇 終焉の地
「俺の母さんは……、
父さんに、いくら理由を聞かれても、本当のことを言わなかった。
言わなかったんじゃない。
言えなかったんだ。
口をわれば、自分の両親が殺されるからな……。どこで誰が聞いてるか分からねぇ。口を閉ざした。
父さんは、
俺が起きてようが、寝てようが、
構いもせずに理由を聞いてたよ。
『なんでやった? どうしてやった?何人もの木ノ葉の忍が死んだんだぞ!? なんで黙ってんだ』
母さんは、
父さんから罵倒されても、
殴られても、
最後の最後まで、
口を割らなかった。
今から心中するって
分かっても、
母さんは言わなかったよ。
『ぜんぶ、自分ひとりで 自分の意思で動いた。 金が欲しかったから。 それだけよ』
と言い切ったんだ。
父さんは、本当のことを言って欲しかったんだと思う。 里を出なかった理由を、俺なりに考えれば、せめて……理由を知ってから出て行こうと思っていたのかもな……。
母さんはなにを聞かれても
言わなかった。
すべては、
自分の父や母を救う為だ。
その一点のみ。
もしかしたら、母さんは……
自分が死ねば、情報源がなくなり、両親は解放されると、期待していたのかもな……。
全部、終わると……だがなあ、カカシ」
ヤナギは、一気に声を荒げる。