第8章 ホントノカレ*朝日奈梓[ブラコン]
仕事帰り、エレベーターを待っていると、後ろから突然声をかけられた。
「あっ、奏。キミ、今帰ってきたの?」
「梓…!」
お互い忙しいので会えることが少なくなっていた。
嬉しい…けどもう夜も遅い。
早く寝なければ明日に影響するだろう。
顔が見られただけ、いいか!
「ねぇ、これから暇?」
「はい?」
「台本の読み合わせ、付き合ってくれない?」
「えっでも寝なきゃ…」
「いいよね?」ニッコリ
「は、はい…!」
悪魔の笑みだ…!
この笑みに私が逆らえないことを彼は知っている。
そうなんです。
朝日奈梓の本性は、少しS…いやかなりのSなのです!