第1章 私だけの*日番谷冬獅郎[BLEACH]
「ちょっと来い。」
そのまま引っ張られる。ちっちゃいからって力で勝てないのはとっくに知っている。抵抗など意味がない。
「…奏。」
名前を呼ばれ顔を上げると、一瞬にして視界が黒に染まる。恐らく死魄装だろう。
(残念ながら)私と冬獅郎の身長はそんなに差がない。だからいくら背の小さい冬獅郎でも私を覆い尽くすなど容易い。
「…と、冬獅郎!?」
「奏。好きだぜ、お前のこと。」
「本当?」
「決まってるだろ。」
冬獅郎の声は優しくて、心を温かくさせてくれる。
(なに悩んでたんだろ?馬鹿みたいだな…!)
そんな風に思えるのが嬉しい。心があったかい。
「ねぇ。冬獅郎…」
チュッ。
返事をする前に軽くキスをした。
「なっ…!//」
「かーわいっ♪」
やっぱり照れてる顔が一番好き。
…その顔は私しか見られないもんね。
チュッ。
「…///」
油断してたっ!
「…もう、我慢しねーよ。」
いつもとは違う、妖しく笑う冬獅郎。
「…////もうっ!」
…その顔も私だけに見せて。
私だけの特権。