第5章 2人で…*朝日奈祈織[ブラコン]
~後日談~
僕たちがつきあうまで時間はかからなかった。
「祈織さん!」
駆けてくる奏が愛おしい。
「ここですか…?」
「うん。」
今日は2人で冬花の墓に来ていた。
「冬花、今日はお別れを言いに来たんだ。」
そう言ってしばらく2人で墓の前で手を合わせる。
「祈織さん。」
「ん?なんだい?」
「私、冬花さんに言われたんです。」
「なにを?」
「『ありがとう』。そして『よろしく』って。」
僕たちは顔を見合わせて笑った。
…僕たちは前に進めたよ。
ありがとう。君のおかげ。