第5章 2人で…*朝日奈祈織[ブラコン]
バイト先に新しい女の子がやってきた。
彼女の名は南奏。
一つ年下で明るい雰囲気の子だけれども、時々寂しそうな顔をしているのを僕は知っている。
僕はなんとなく彼女を気にしていた。
…僕と似ていると思ったからだ。
だからある日、僕は聞いてみることにした。
「ねぇ、」
「は、はい!?祈織さん?」
突然声をかけたのでびっくりする彼女。
「ああ、ごめんね。…ちょっと時間いい?」
僕がそう聞くとコクリと頷いた。
それを確認して僕は話し始めた。
「違うかもしれないけれど…なにか忘れたい過去があったりする?」