第26章 Only You*カルナイ[うたプリ]
ーーーーーーーーーー
藍side
普段となにも変わらない。
さっきまでそう思ってた。
でも次の…奏と共に作り上げ、奏でられる曲に心は躍った。
この気持ちをボクはどんな言葉にすればいいのかな?
ねえ奏。教えてよ。
奏の音に合わせて歌う。
妙な高揚感。
味わったことのない興奮。
輝くスポットライトの真ん中で気がつく。
ああ、これが幸せってことなんだ、と。
人はこれを幸せって呼ぶんだ、と。
きっとそうだ。
『君が笑顔の時も、君が悲しい時も、そばにいるのはボクだよ。』
嬉しいという気持ち。
悲しいという気持ち。
その言葉の意味は理解していた。
でも本当の意味を教えてくれたのは君。
そしてこの気持ちも。
胸がざわめくこの気持ちも教えてくれたのは君なんだ。
君といなければわからなかった。
君と気持ちを共有できて幸せ。
…出会えて幸せ。
きっとという予想は、いつしか確信になっていた。