第24章 姉弟恋愛*朝日奈風斗[ブラコン]
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今は一緒に風斗くんの部屋で映画を見ている。
ずっと風斗くんが見たがっていたもので、見つけて届けてあげると、「一緒に見ようよ」と一言。
風斗くんの部屋っていうのはどうかなって思ったけれど、仕事に対して真面目なのは知ってるから大丈夫だろう。
現に画面に見入っている。
「…なんかさ。この俳優は好きだけど、この役は嫌い。」
映画も終盤に差し掛かり、風斗くんがいきなり口を開いた。
「なんで?」
「だって、相手のために自分が退くとか……ボクだったら、こうするのに。」
手が伸びてきたと思うと、その手で肩を押される。
油断していた私はそのまま倒れ、風斗くんが上に乗る。
「ちょっと、風斗くん?!」
「…姉さん。好きなんだ…!」
「わ、私には彼氏がいるし……っ!」
「そんなの関係ないね。他の男の話なんてしないでよ。」
「き、兄弟なんだよ、私達!…だから」
「関係ないってば!」
熱のこもった声にびくりと身体が震える。
「本当に、姉さんが好きなんだよ…」
風斗くんの瞳の奥が切なげに揺れる。
心がギュッとなる気がした。
「…それでも、私にはあいつがいるから……」
風斗くんを押しのけて、部屋から逃げるように出た。