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短編集  Dear my precious…

第23章 夏祭り*黒尾鉄朗[ハイキュー]


~後日談~

「女子マネー!」

音駒高校男子排球部。
本日も叶わないであろう、男子たちの悩みが繰り広げられていた。

「ふふふ!俺は女子マネ候補を見つけてしまったのだ…!」

山本が不敵な笑みを浮かべる。

「誰っすか、それ!」

犬岡がきらきらした目でそちらを見る。
他のメンバーはどうせ山本の言うことだからとどこか冷たい目だ。

「南ならやってくれると思ったんだ!」

その名前にみんなが反応する。

「南先輩がマネージャー!」
「確かに南なら…」

思わぬグッドアイデアにみんながざわめき出す。

が、それも孤爪の声で消えた。

「それは無理だと思うよ。」

「でも南は部活に入ってないし…!」

「そうじゃなくて……ほら。」

孤爪が視線を向けた先を見ると、そこには黒尾が笑顔で立っていた。

…目は笑っていない。


「山本。あいつをマネージャーにしたいのか…?」

「い、いえ…」

今まで感じたことのないほどの圧力に首を振るしか選択肢はなかった。


「じゃあさっさと練習するぞ。」

その声で、部員たちはそそくさと体育館に向かった。


部室には黒尾と孤爪。


「あいつらに、奏を渡すかよ…!」

それを聞いていた幼なじみは大きく息をついた。


そして一言。

「……奏。愛されてるね。」
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