第17章 いつもそばに。*桜井良[黒バス]
宙に浮いたのは良の力だった。
やっぱり男の子なんだなぁとかぼんやり考える。
気づくと良が私の上に乗っていた。
「幼なじみじゃいやなのは、ぼくだけですか…?」
「どういう意味…?」
「…ぼく、奏ちゃんのことが好きだよ。」
良はそう言うと、私の額に軽く口付けを落とした。
(………!)
私の頬に涙が伝う。
「す、スミマセン!ぼくのことはいいから……だから、泣かないで。」
寂しそうに笑った良。
そんな良がたまらなく愛しくて、抱きしめていた。
「ごめんね、違うの……」
「え?!」
「気づけて良かった……」
いつもそばにいてくれたんだね。
軽い女のようだけど、
この気持ちは本物。
「良…好き……!」