第16章 最高の女の子*紫原敦[黒バス]
「……南ちんの作ったお菓子食べたいな」
心の声がつい漏れちゃって、南ちんはちょっと困った顔をした。
「…ごめんね、敦。」
「聞こえてた~?」
「うん。……あのね、敦。みんなには秘密だよ?」
いきなり秘密と言われ、南ちんの口がオレの耳元に近づいてくる。
「なになに~?」
秘密っていうくらいだから、なんか凄いこと言われるんだろうな~
「……私、料理が苦手なの。」
「…!南ちん。そんなこと気にしてんの?」
「そ、そんなことじゃないよ!ほ、ほら…女子が料理苦手とか恥ずかしいし…」
顔を真っ赤にして俯いている南ちん。
「それに…敦にお菓子作れないし……」
可愛らしくそう付け足した南ちんを思わずギュッと抱きしめた。
料理が苦手なところも好きだよ~!