第12章 俺だけのもの*不知火匡[薄桜鬼]
「俺だけのものにしてやるよ、奏。」
(名前っ…!)
赤い花が次々と咲いていく。
なんで私、名前を呼ばれて喜んでるんだろう?
なんで、痕を付けられて嬉しく思っているんだろう?
…不知火だからなの?
「いつの間にかあなたのものだったみたいね(ボソッ)」
「は?なんだ?」
「…あなたの好きにしてって意味よ。」
挑発的に笑うと、不知火もニヤリと笑った。
「へぇ。いいんだな?」
「ええ、もちろん。」
不知火の手が帯にかかり、鼓動の高鳴りを感じる。
…二人の熱が交わっていく。
あなたものになっていたみたいだけど…
私も負ける気なんてないから。
あなたも私のものにしてあげる。
…覚悟しておいてね?