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君と紡ぐ空の唄【キングダム】

第15章 恋の歌①(夢主side)


唇が離れるとニッコリ微笑まれた。

「じゃあ、乗馬の練習しようか?それともこのまま続きする?僕は後者がいいな。」
「乗馬の練習しよう!!」

突然のことに恥ずかしくて真っ赤になって立ち上がった。

「あはは、分かった。」

笑いながら馬に向かう輪虎の後を俯きながらついて行った。

そうして基本的な乗り方、降り方、乗馬姿勢を教えてもらった。
でも、実際に一人で馬に乗ると不安定な馬上がすごく怖くて必死に手綱にしがみついていた。

「葵、手綱は命綱じゃないんだからもっと背を伸ばして。葵が怖がってたら馬も怖がって言う事聞いてくれないよ。」

そう輪虎の指導が入るけど実践は難しい…

「分かった…う~…でもやっぱり怖いよ……」
「ははっ、これは特訓が必要だね。」

それから日が傾き始めるまで基本練習を繰り返し何とか基本的な乗馬姿勢だけは出来るようになった。

「うん。とりあえず今日はここまで。後は明日以降しっかり練習していこうね。」
「ありがとう!でも、忙しいのに私の練習まで大丈夫なの?」
少し不安になってしまった。

「うん。まぁ、全部僕が教えてあげるのは無理だからちゃんと先生つけてあげる。」

そうニッコリ笑ってくれるとそれだけで安心する。
そのまま私の後ろに輪虎が馬に跨がった。

「よし、じゃあ帰るよ。」

そう言って今度は手綱を二人で持って走り出した。

重なった手が温かい…それだけで嬉しい…そんな愛しい時間……
      
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