第33章 抱擁②(輪虎side)【R18】
「あぁっ……!いやぁっ……」
「イッていいよ。よく見せて。」
責め立てる指を舌を激しくしていくと葵はどんどん乱れていた。
「いやっ…見ないでっ……あぁっ……」
首を激しく横に振っていたけど限界だったみたい。
「…っ!……ああぁっ…!!」
そのまま全身を震わせて絶頂を迎えていた。
「んー、やっぱり可愛い。よしよし。」
そう言って葵の頬に軽く口付けしながら頭を撫でた。
その目から涙が溢れ肩で息をしている。
「…輪虎……」
「なぁに?待ったは聞かないよ。」
「……輪虎が…欲しい…です……」
言いながら僕に抱きついてきたけど、今までで一番驚いたかもしれない。
「どうしたの?そんなに積極的なんて。後で後悔しても知らないよ。」
「だって…ずっと寂しくて…怖くて…もう二度と輪虎に触れられないんじゃないかって……」
さっきとは違う涙が流れている。その言葉と涙に思いっきり抱き締めた。
「輪虎……?」
「ホントに君は…どうしてそんなに……」
それ以上言葉を続けられなかった。僕も涙が浮かんで葵が滲んで見えた。
「もうどこにも行かない。葵を置いてどこにも行かない。二度と離さない。だから覚悟してね。」
「うん…もう私の側からいなくならないで…もうあんな一人の時間耐えられないから…」
二人とも泣いていた。そのままキツく抱き締めるとゆっくり中に入っていった。
「あぁっ………」
「ん……」
そのあとは何度も、何度も愛してるって伝えた。
葵も愛してるって何度も伝えてくれた。
あの日…出陣した日…こんな夜がまた来るなんて思ってなかった。
どこかで感じていたんだ。きっと葵の元には帰って来れないと……
それでも今ここで葵を抱き締めることが出来ているのもまた天の計らいか……
だから今はここにある幸せを抱き締めながら眠ろう。葵が隣にいる幸せを抱き締めながら…
秦の夜空にも綺麗な月が架かっていた。