第28章 帰還①(夢主side)
それからも毎日看病していた。
でも今までと違って輪虎が目覚めていることが嬉しくて仕方ない。
目覚めてからの輪虎の回復力は凄くてやっぱり鍛え方が違うな…と驚いた。
その中で少しずつ戦のこと、相手の将が首を切らなかったこと、廉頗将軍が連れて帰ってくれたこと、廉頗将軍と輪虎への処分のこと…そして剣のことをゆっくり話していった。
輪虎はどの話も「そっか…」と言って多くは語らず、私もきっと色々な思いが巡っているんだろうと思って何も言わなかった。
ただ、副官が土下座した話だけはクスクス笑って楽しそうだった。
輪虎が目覚めた今、今後のことを考えないといけなかった。
でも私の答えは一つ。それは輪虎がどんな選択をしても必ず側にいる、もう二度と離れないと言うこと。
生きて輪虎が帰ってきた…それはきっと奇跡。あのクローバーがもたらした幸運……
玉(ぎょく)のクローバーを空にかざしその先の綺麗な青空を見上げた。