第27章 前へ(夢主&輪虎)
(今は昼?それとも夜?もうどうでもいいや…よく階段や崖から落ちたらタイムスリップするよね…私もそうしたら戻れるかな?もし死んでもそれはそれでいいや……)
そんなことばかり考えるようになってどれくらい経っただろう…
輪虎から貰った玉(ぎょく)のクローバーをぼんやり眺めてた。
『約束する…必ず帰ってくるから。どんなに時間がかかっても必ず葵のところに…だから信じて待ってて。僕のこと信じてくれる?』
どうしようもなく悲しいのにやっぱり涙が出なかった…
それでもこの言葉を思い出してはっとした。
輪虎は約束してくれた。必ず帰ってくると……そして私は信じると言った。
だったら私が信じていないといけないんじゃないか…どんなに絶望的でも私だけは…
そう思うと起き上がることができた。
それはようやく地に足がついた感覚……
きっと前に進むことが出来る…