第18章 愛欲②(輪虎side)【R18】
帰り道、葵が一度街で食事がしてみたいと言ってきたからある店に連れて行った。
どの料理も美味しく食べていると葵がニコニコしながら話しかけてきた。
「やっぱり中華料理は美味しいね。」
「ん?未来にもあるの?」
「うん!似たような食べ物がいっぱいあるよ。」
「へ~……」
(今からずっと未来にも同じ様な食べ物があるのか…時代が変わっても同じ物を食べているのか……)
それは不思議な感覚だった。
食事が終わるとすっかり日が暮れようやく屋敷に帰ってきた。
「お疲れ様。ずっと出かけてたけど疲れてない?」
「うん!とっても楽しかった!今日はありがとう。」
葵は満面の笑みだ。
「良かった。じゃあ、湯あみに行っておいで。外は埃っぽいから。」
僕も満面の笑みで返した。
「えっ?あ、分かった…」
少し戸惑いながらも素直に湯あみに向かっていた。
僕のその笑みがどんな意味なのかはこのあとすぐに分かること…
葵が浴室に入ったのを確認すると僕も後に続いた。
「葵ー、湯加減どう?」
いつもの調子で遠慮なく浴室の扉を開けた。
「ちょうどいいよ。さすがに体が……って、り、輪虎!?何で?えっ?えっ??」
葵の反応はかなり遅れていたけど僕が入ってきたことに気付くと真っ赤になって背を向け、湯船の端に逃げていた。
「ん~…せっかくだから一緒に入ろうかな?って。」
そう言って葵の横に入った。
(ホント予想通りの反応で面白い。でも、そんなことするから僕が意地悪したくなるんだよ。)
ニヤリと微笑むとさらに葵に近付いた。
「ねーこっち向きなよ。」
「む、無理……」
「何でー?今さら隠すことでもないでしょー?」
「恥ずかし過ぎるから!」
その反応もまた面白くて可愛くて楽しくなった。