第17章 愛欲①(夢主side)【R18】
帰り道、一度街で食事がしてみたいと言ったらある店に連れて行ってくれた。どの料理も現代の中華料理に似ていて美味しい。
「中華料理はこの頃から美味しいんだね。」
「ん?未来にもあるの?」
「うん!似たような食べ物がいっぱいあるよ。」
「へ~……」
輪虎は何だか不思議そうに、私はニコニコしながら食べていた。
(未来にもこうやって中華の食べ物があるんだから歴史って凄いな…)
食事が終わるとすっかり日が暮れようやく屋敷に帰ってきた。
「お疲れ様。ずっと出かけてたけど疲れてない?」
「うん!とっても楽しかった!今日はありがとう。」
満面の笑みで答えた。
「良かった。じゃあ、湯あみに行っておいで。外は埃っぽいから。」
輪虎も満面の笑みで返してくれた。
「えっ?あ、分かった…」
少し戸惑ったけど素直に湯あみに向かった。
その笑みがどんな意味なのかはこのあとすぐに分かったけど……
お湯に浸かると思いっきり伸びをした。
(あ~……初めての乗馬で体がカチコチだな…明日、筋肉痛かも……)
「葵~、湯加減どう?」
こんなことを思いながらゆったりしていると輪虎が浴室に入ってきた。
「ちょうどいいよ。さすがに体が……って、り、輪虎!?何で?えっ?えっ??」
あまりに自然で反応がかなり遅れた。
一瞬で真っ赤になって輪虎に背を向けて湯船の端に逃げた。
「ん~?せっかくだから一緒に入ろうかな?って。」
そう言って私の横に入ってきた。
(は、恥ずかしい。一緒にお風呂なんて聞いてない!)
「ねー、こっち向きなよ。」
「む、無理……」
「何でー?今さら隠すことでもないでしょー?」
「恥ずかし過ぎるから!」
輪虎は楽しそうだけど、私は違う意味でのぼせそうだった。