第1章 花嫁
少し隙間のできた襖
外からは月明かりが入り込む
しかし煽りに見えるその光にすら苛立ち襖を勢いよく放つ
縁側には求めた小さな影
月明かりに照らされた姿は美しく妖艶
しかしその顔は振り向き直ぐ様焦りが滲む
何に焦っているのか
俺に黙り逃げ出したことか
言いつけを守らなかったからか
見つかってしまったことか
考えている暇もない
余裕のよの字すらないほど欠片もない心は
いつの間にか、の骨が軋むほどに強く強く抱き締めていた
「何故逃げ出した」
そう、己が思うよりも大分低くなった声での耳元へと問いかける
瞬時軽く震えた姿に愛しさをまた覚え、抱き締めている手を更にキツくする
埋めていた顔をあげ、その柔らかい口からは何が出る
『ごめん、なさい…伽羅…眠れなくって…お外明るくて、月、きれいかなって……』
しどろもどろに少しずつ話すの顎に指をかけ、上を向かせ唇を重ねる
これだけで許すはずもない
空気を求めて開いた口に舌をねじこみ、中を荒らしてやれば淫らな顔をする
糸をひいた互いの口
飲み込みきれない唾液を口端から垂らし、蕩けた目をしてこちらを見た
あぁ、愛らしい…