《おそ松さん》ただただ望んでいた《夢も現も崩壊系ストーリー》
第8章 お姫鯖ラッシュ
呼吸が荒く、髪が少し乱れててちょっぴり色っぽかった。僕は勇気を振り絞ってその子に名前を尋ねてみた。
十「こ、こんにちは!!十四松です!!あなた、○○さんで、よろしいですか?」
チョロ松兄さんに言われたとおりのセリフを口にした。人に名前を聞く時は、まず自分から!!
僕の名前を聞いた女の子は途端に安堵した表情に変わった。いくら見覚えのある顔とはいえ、初めての人に声をかけられたら緊張してしまう。無理もないよね。ある程度息を整えてから彼女は答えた。
○「は、はいっ。私、○○っていいますり。ふぅ…ふぅ…迎えに、来てくれたの?」
十「うん!!遅かったから……あー、いや全然遅くないよ!!でも、僕達が早すぎたから、迎えに来ちゃった!!!」
○「あはは…でも、遅れそうになったのは事実だよ。わざわざごめんねっ」
○○ちゃんはすごく疲れていたんだろうけど、にっこり笑って返してくれた。兄さんもトッティも言ってた。笑顔が最高に可愛いって!!確かに眩しい!
○「えっと…はぁはぁ……とりあえず…ちょっとだけ、休憩してぇ……」
十「あ、ゴメン」
○○ちゃんは、その場にへたりと座り込んでしまった。一体どれくらいの距離を走ってきたんだろう…
○「せっかく来てくれたのに、ごめん。他の皆も待たせちゃうよね」
十「うーん……あ!大丈夫ー!!僕に任せて!よいっしょー!」
僕は座り込んだ○○ちゃんの体を抱えあげた。背中に手を回し、もう片方の手で○○ちゃんの脚をもちあげる。
これぞ必殺『小姫鯖ラッシュ』!!!
○○ちゃんは徐々に顔が赤くなってきている。
○「じゅ、十四松!??これは大丈夫なの!?初めてなのに、お姫様抱っこは恥ずかしいというか…」
十「ぶー!!お姫様抱っこじゃなくて、小姫鯖ラッシュ!んじゃ、兄さん達のところまでぇぇ~~」
「ブゥゥゥゥゥンっっ!!!」
○○ちゃんは恥ずかしがってたけど、笑ってた。抵抗する素振りも見せなかった。正直、初めて会う子にこんなことしてる僕の方が恥ずかしかったよ?僕の心臓は○○ちゃんに触れられたかのようにドクンドクンと脈打っている。
○○ちゃん
僕の十四松がタッティ!!?
そ、それとも、恋ってやつっすか!!?
どっちなのか分からないよ~!
END