《おそ松さん》ただただ望んでいた《夢も現も崩壊系ストーリー》
第5章 夕暮れと笑顔
[一松視点]
俺には衝撃が強すぎたかもしれない。
ほぼ初対面の、しかも異性相手に
あんなにグイグイくる女の子がいるなんて。
いや、嫌いってわけじゃない。
でもさ、俺みたいな奴相手に
あんな楽しそうにいられるとか
ホント趣味悪い女だよ。
なかなか兄さんらしい選択肢かもしれない。
あの子は、正直…お顔はまぁまぁ。
いや、俺みたいな奴が人の顔を評価しちゃ
いけないんだっけ。
だけど、○○ってやつは
表情がいちいちキラキラしてた。
夕日が2個あるかのように。
もうひとつの太陽みたいに。
楽しい夢でも見てる子猫みたいに。
なんて考えながら歩いてると、
俺の抱えてるエスパーニャンコが俺の頬を舐めた。
茶化してるつもりか?こいつ。
「…ふふ」
自然と笑みが零れた。はぁ。
今の俺、キっっっっモい面してんだろうな。
今更かもしれないけど、
エスパーニャンコの薬が切れてて良かった。
そうじゃなかったら、俺は。
「…へへ」