第7章 ウエスギトタケダ
清香がタイムスリップして1ヶ月が経とうとしていた
安土城での生活に慣れ、世話係の仕事も機敏に済ませるようになってきた
そして、清香の存在は安土の城下にも知れ渡ってきた
清香は今、城下の定食屋に来ていた
「清香さん!こんにちは!今日も来てくれたのかい?」
「こんにちは!だって私はここの味が好きなんだもの」
屋主の男とも顔見知りになる程、ここにはよく来ていた
「今日はこのあんみつを頂きます!あ、あとみたらし団子も!」
「よく食うねぇ…あいよ!」
屋主は苦笑いをしながらも、厨房へと向かっていった
「はい、あんみつとみたらし団子ね!」
「やったー!ありがとう!」
「いやいや、清香さんの来店のお陰か、だいぶ繁盛しててね。こっちこそありがとなー!」
「気にしないでー!」
笑顔で立ち去ると団子を口に運んだ
「後は、これを光秀さんに届けるんだよねー…」
清香は懐に入れてた書類を取り出し、見つめた
「偉いとはいえ、暇じゃないのよねー…」
「貴様!俺に楯突くってのか?!」
「っ?!」
突然、男の怒号が響いた
「そ、そう言われましても、代金は払って貰わないと…」
浪人と思われるガラの悪い男3人が刀を持ち、屋主の胸ぐらを掴み、今にも殴り掛かりそうな状況だった
(何よあれ?!)
「こんな糞まじぃのに、金払えってのか?ふざけんじゃねぇぞ!!」
「そっちこそふざけるのも大概になさい!」