第2章 第二章「深化列車036」

　第三世界「ファーベルグ」は、ヴァール城の南方向にあるトロッケン山と南西方向にあるフェッセルン山からなる山脈が広がっていて、北方面にある海に向かって広がる扇状地である。フェッセルン山を起源とするヒルフェ川が、ヴァール城界隈の街の外枠を沿うように海に流れている。通常、扇状地とは河川の氾濫や土砂災害が危惧されるが、大規模な土壌整備や河川の堤防強化などにより、中心世界が行う定期報告開始初期以降、水害の被害は報告されていない。統計調査開始初期には、果物などの比較的水を多く必要としない農作物が多く見られた。しかし前述の通り、大規模な土壌整備が行われた為、水田が整備されて非常に栄える世界となった。さらにこの世界では、AIやクローン技術などの最先端技術が目まぐるしい発展が中心世界創立以前から見られたが、それ以前に倫理観などの多くの問題や欠陥が確認された。現在は改善され、他世界と比較しても先進的な世界と言えるだろう。
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