第7章 6day
ハートの海賊団の船に落ちてから6日目。甲板に出たは完全に元通りに戻った翼を大きく羽ばたかせた。ふわりと身体が宙に浮かぶ。その光景をトラファルガーを含むクルー達が見守っている。
「完全に治ったのか!良かったな!」
「ありがとう、シャチ!」
「、空に帰っちゃうの…?」
寂しげな表情で小首を傾げたベポには釣られて眉を下げる。まだは、トラファルガーと恋仲になった事も船に残る事を決めた事も彼らに伝えてはいなかった。彼女は1度船に降り立つと、ベポに抱き着く。
「そんなに寂しそうな顔しないで下さい…!」
「…おい、引っ付き過ぎだ。」
「良いじゃないですか!ベポですよ?」
「関係ねェ。」
ムッと唇を曲げの首根っこを掴みベポから引き剥がしに掛かるトラファルガーに辺りのクルー達が一同にざわめく。彼女は不満そうに頬を小さく膨らませる。
「……あの、皆さんにお伝えしたい事が有ります。」
「…どうした?」
ざわつきは更に増した。もしやこれは、キャプテンと付き合い始めた報告なのでは…!?そんな考えが各々に過ぎる。
そんな事を考えているとはつゆ知らず、は再び口を開いた。
「私、今日からこの船の船員になりました!まだまだ弱くて、皆さんの足を引っ張ってしまうかもしれませんが沢山鍛錬するし、お手伝い出来ることは何でもしますのでよろしくお願いします!!」
ばっと勢いよく頭を下げる。些か想像とは違った報告に1度クルーはぽかんと口を開けたが、直ぐに歓迎の声を上げてくれた。はほっと胸を撫で下ろしはにかむ。
「ちゃんなら大歓迎だ!これからもよろしくな!」
「びっくりしたー!ついにキャプテンと付き合い始めたのかと思ったぜ!!」
「えっ!?何で知ってるんですか!?」
「「「えっ!?」」」
クルーの視線が一気にトラファルガーへと移る。だが当の本人は特に気にした様子も無く普段と変わらない表情でを見遣った。
「…。お前は少し考えてからものを話せ。」
「うぅ…っ!すみません……。」