第3章 プロローグ
「兄さん!!ねえ、兄さん!!起きて…しっかりして!!私を置いていかないで…。ねえ、もう一度聞かせてよ…兄さんの…兄さんの声を…歌を…」
「兄さんを失うくらいなら…禁忌を侵した方がマシだ…!!」
「な、なに…これ…手?い、イヤ…きゃあああああ!!」
「う、うぁ…頭に…頭になにか入ってくる…。真理…?」
「み、耳が…聞こえない…。兄さん…ひっ!!に、兄さん…。いやぁぁぁぁ!!」
あの日…私は禁忌を侵した。
兄さんの声が聞きたい。
ただそれだけだった。
その結果…私は聴力を失い、変わりに真理を知った。
そして…国家錬金術師の資格を取った。
『大空と大海の錬金術師』
それが私。
そして…
『史上最年少の国家錬金術師2人目』
出来ることなら…会ってみたい。
史上最年少の国家錬金術師の1人目…。
『鋼の錬金術師』
エドワード・エルリックに…。