第22章 シカマル
朝、目が覚めれば、半裸だ。私はシカマルの腕に、強く抱きしめて寝てしまったようだ。シカマルは寝ている。
あたたかい手を握った。
すると、握り返される。
「え、…シカマル…起きてるの?」
私の方にシカマルは
顔を向けた。
眠そう。
「起きてるぜ。花奏に、泣かれたらどーしようとか、悩んでたら朝が来ちまった」
「え?」
「理由。結局なんだよ、言えよ」
「えっ…と」
私は戸惑う心もあったが、話した。すると、「あーー、マジかよ、そんな理由かよ!あーーーめんどくせーー」って声が吐き捨てられた。
ガバッと起き上がり、
私を見る。
「付き合ってねーーし!テマリさんは、ちがうっての。だいたいなー、ちょっと同じだったぐれーで、周りの奴らは、鬱陶しーぐれーチヤホヤしやがってよ、なんもねーーっての!」
シカマルが、ブチ切れた。
イライラした目で私の髪を触る。
「手すら繋いでねーよ、勘違いすんな」
すると変わる。
優しい目に。
「昨日、会ってたヤツと花奏が仲良く歩いてる姿見てな、マジで焦った。頼む。心臓に悪ぃんだよ。アイツに奪われるかもって思ったら、勝手に行動しちまってたぜ」
頭を撫でた。
「…シカマル……」
「じゃーまず、起きて、デートして、そこから始めねーか? まあ、やっちまったから、籍入れちまってもいーしな」
「えっ」
「起きねーと、チューして、また、やっちまうぜ?」
シカマルは笑って
私の身体に乗った。
「えっ、ちょっと……ん、…」
慌てる私の身体に重ねると、シカマルは嬉しそうに、甘いキスを落とした。
「愛してるぜ、花奏」
fin