第8章 仲直り
ことが終わってからも、私の身体は快感の余韻が尾を引いていた。
何もしてないのに背中がぞくぞくして、荒い息を吐く度に頭がしびれる。
そんな私を彼が抱きよせた。
目の前に彼の胸板が広がり、その拍子に触れた肌にもつい気持ちよさが走る。
彼はくったりとした私の頭をなでる。
そうしてるうちに私の身体は普段の意識を取り戻しつつあった。
だいぶ落ち着いた後、彼の顔を見上げると彼は今まで見たこともないような穏やかな顔をしていた。
「きれいだった。」
涼しい顔でとんでもないことを言いだした。
私は思わず顔を伏せ、彼から離れた。
「と、とりあえずありがとう。薬でおかしくなっちゃってたから助かったわ。」
私がそういうと彼はきょとんした顔をして、「どういうこと?」と聞いてきたので、彼がケルスの家に来る直前のことを説明した。
「えっ、じゃぁ薬のせいであんな淫乱になってたってこと?」
「い、淫乱!?」
「あっごめん。もちろんいい意味だよ。」
「淫乱のいい意味ってなによ!」
ぷりぷりしながら私は服を整えようとするが、彼はそれを制止してきた。
「もう1回しない?」
「しない。」
「えっ!?」
「そんな~」と言いたげな彼を振り切って、私は全ての服を整えて、ベッドから立ち上がる。